「想いでのテント」について

しばらくぶりの投稿になってしまいました…。

いろいろと書きたいことは溜まっているのですが、ここ最近とても慌ただしく…制作から離れられない状況でした。

いくつかの制作がようやく完成を迎え、やっとパソコンに向かっています!

制作が完了し新たに出来上がった作品を見るのはとても幸せな感じがします!THE!達成感!(笑)

 

いよいよ明日からは日本橋三越本店での作品展示がスタートするのですが、それまでに作り上げたいと思っていたオルゴール作品を完成することができました。

写真撮影と動画の撮影編集も済ませたところなので…こちらのブログにもさっそく作品についての解説を書いていきたいと思います!

よろしければお付き合いくださいませ~。

 

作品タイトルは【想いでのテント】です。

【想いでのテント】

オルゴール曲:子供の情景(シューマン)


ライオンを見ると、いつも亡き祖父のことを思い出す。
祖父は動物園で働いていて、ライオンの調教師として若い頃は命懸けで働いていたらしい。
結婚のため子育てのためと…ライオンと向き合っていたらしい。
ライオンと対峙するときは一切の隙を見せてはいけないと話していた。

 

孫の人数がまあまあ多く、中でも一番小さかった私はいつも祖父に名前を間違えられていた。

どうしていつも名前を間違えられるのだろう…?と寂しく感じたこともあったが、私はまだまだ幼くて祖父は物覚えに少々心配が出てきたところだったので、仕方なかったんだなあ…と今は思っている。

 

たくさん可愛がってくれた祖父とはどんなことをしたのか?話したのか?とふと考えてみると、

自然の中で一緒に野イチゴを摘んだり、昆虫を捕まえたりした記憶ばかりが残っている。

 

動物が好きで自然が好きで、絵を描いたり細かいものを作ったり、凝った料理をするのが好きだった祖父。
お正月のお節料理の栗きんとんだけは、いつも祖父の手作りだった。
道具や身の回りの物にとてもこだわる人だった。

 

私がドイツの時計や道具が好きなのも、間違いなく祖父の影響が大きい。
私は祖父からいろいろな物を貰ったのだなあと思う。

 

大正生まれの祖父には戦争経験があった。

夏休みに祖父母の家に遊びに行くと、決まってテレビからは金曜ロードショーで「火垂るの墓」が放送されていて。

それを観るのを祖父母はとても嫌がって、すぐにチャンネルを変えていた。

その姿がなぜか印象に残っている。

映画として観る事なんて、とても出来なかったのだろうなと思った。

 

祖父母のことを思い出すと、今だったらこんな話をしたいなあ~とか、こんな事を聞きたいなとか…。

いろんな気持ちが湧いてきて、懐かしくなったり寂しくなったり。

 

大切な想い出や、人との出会いと別れ。
何年経っても忘れずに覚えている。
そんな想い出に自分は支えられているんだなと思った。
またいつか再び会えたらいいのにな。

たくさんの想い出を記憶していることで、その人は今も生き続けているんだなと感じたりします。

今回の作品は「大切な想い出」「大切な人との出会いと別れ」「懐かしく想う気持ち」そんなことを考えながら制作しました。

作品写真はコチラからご覧いただけます➡想いでのテント