「ひつじの夢」について
この度過去の作品も含めて、自分の作品についての伝えたいテーマだったり、想いだったりを
展示の時などにしっかりとお伝えしたり、説明ができていなかったのでは?と思いまして。
少しづつですが作品についての解説や説明の文章を作っています。
解説というより、詩のような…?お話?みたいになっていたりもします。
よろしければお付き合いください!
新たに完成したこの作品「ひつじの夢」についても色々と想いがあったので、このブログに書いておこうかと思います。
【ひつじの夢】
屋根の上で空を見上げる羊は なにを考えるのだろう
これは現実なのか 羊の夢の世界か
羊の頭の上を鳥たちが飛んでいった
眩い太陽の光を浴びながら 広々とした青空の中を駆けるようにして飛んでいく
とある一匹の羊は空を見上げて言った
「なんで僕は空を飛べないのかな?」
他の羊が興味なさそうに返事をした
「そんなの、僕らは羊だからだよ」
仲間たちは草を食み、花を愛でる
一匹の羊はずっと空を見上げていた
どうしたら空を飛べるようになるのか 羊はそんなことばかり考えた
屋根の上でくるくる回る風見鶏を見て その姿を真似てみたりした
来る日も来る日も 空を見上げて首を伸ばしてみた
それでもやっぱり羊は飛べなかった
羊は毎日 屋根の上に登って空を見上げた
いつのまにか 羊のまわりには綺麗な花が咲き 青々とした草木が広がっていた
眠る羊は夢をみた 背中に白い翼が生え 屋根を蹴って空へと飛び立った
憧れていた真っ青の空の中にいる!
鳥たちとともに雲の中を飛んでいる!
太陽の光がとても眩しかった 空から地上を見下ろした羊は驚いた
美しい木々の緑や色とりどりの花が風に揺れていた
仲間たちは陽だまりの中で 気持ちよさそうに眠っている
「僕がいた場所はあんなに良いところだったのか」
羊は夢から覚めた そして近くにあった花をそっと愛でた
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私はいつも何を考えどこを目指しているのだろう?
この羊のように過ごしているのかも。
今の自分にあるものを見ようとしないで、自分にないものばかりを探してしまう。
現状から抜け出したいとか、あの人みたいになりたいとか、自分自身に満足できないとか
私は自分に自信が持てないのかもしれない 自分を認められないのかもしれない。
自分の中にあるものに目を向けないで、外側にばかり目を向けていたのかも。
この羊は私自身なのかもしれない。
コンプレックスやトラウマだったり、自分を認められなかったり
誰にでも少なからずあるのかなと思ったりして。
でもそんなもやもやとした感情は置いといて、ひとまず自分自身に目を向けてみる。
「こんなところが好き」「ここがちょっと良いと思う」
そんなところを自分自身に見つけていって欲しい。
私も含めてそんなところを見つけていきたい。
そんな想いでこの作品を制作しました。